高度に結びついた機器を落雷から保護する為に参考にすべき基本情報を集め、まとめた私の見解です。
太陽光発電設備の設置状態について十分な情報が得られない場合の参考値としてJISから得た情報を基に設置すべき場所、クラス及び性能を調べ、参考値としてまとめました。設備に設置するSPDのクラス及びその性能は、JIS C 5381-32の項目6”SPPの設置及び設置場所"及び項目9 ”太陽電池設備のSPDの選定及び設置”に、メガソーラに設置するSPDについては附属書Aに情報が記載されており、避雷針が設置されていない設備や避雷針及びその引き下げ導線との離隔距離が十分に確保できない場合には、ここで示す設置条件および設置するSPDクラスが異なる箇所もあります。また選定するSPDはバリスタ(酸化亜鉛)素子で構成されているとして性能を示しています。
JIS C5381-32には避雷針設備がない場合、避雷針設備があるが離隔距離が十分とれない場合や避雷針設備があり且つ離隔距離が十分確保できる例が示されており、それぞれSPDの設置の必要性とSPD性能について説明があります。此処では避雷針設備があり且つ離隔距離が十分確保出来る場合を図示しています。
ビルの屋上に設置された設備では多くの場合、太陽光発電設備は避雷針の保護下にあり、避雷針及び引き下げ導線とは十分な離隔距離を保って配置されていると考えられます。
SPDの設置箇所:
基本的には図で示される①、②、③、④の箇所に設置します。
設備の配置に依っては④太陽電池アレイの出力側、②インバータのAC側の設置を省くことが出来ます。
省く事が出来るSPDと条件:
②のSPDは主分電盤との距離が10m以下、かつ引き下げ導線からの落雷電流による誘導電圧が無視できる場合、又はインバータと主分電盤が同じ室内にあり、それぞれ接地端子板に0.5m以下の配線で接続される場合には省くことが出来ます。
④の
SPDはインバータと太陽電池アレイとの距離が10m未満、かつインバータの(DC)側に設置されているSPD①の電圧保護レベルが太陽電池アレイの定格インパルス耐電圧の0.8倍以下の場合省くことが出来ます。
SPDの性能:
太陽光発電設備に設置するSPDはY接続、Δ接続、U接続などがあります、上の表で示す値は太陽光発電設備の設置状態や雷保護対策について十分な情報が得られない場合のY接続のZの位置にあるバリスタ(酸化亜鉛)素子で構成されるSPDの性能を示しています。引き下げ導線の条や建物の雷保護レベルの情報がある場合はJIS C 5381-32の附属書A(表A.1, A.2)に値が示されています。
(1)SPDクラス:主分電盤内のSPD③はクラスⅠSPDを設置します。それ以外箇所に設置するSPD①、②、④はクラスⅡとします。
避雷針設備がない場合には主分電盤内はクラスⅡSPDで保護可能な場合もあります。また避雷針及び引き下げ導線との離隔距離が十分でない場合には全てクラスⅠSPDを設置します。
(2)設備機器の電圧防護レベル: 被保護機器の定格インパルス電圧の情報がない場合、発電電圧DC600の設備では、インバータ及び太陽電池モジュールが「適用等級B」、及び他の機器を含め4.0kV以下、太陽電池モジュールが「適用等級A」「二重/強化絶縁」の場合は6.0kV以下とします。
メガソーラ設備として20mx20mのメッシュ接地を施された地面上に、太陽光パネル及びインバータ設備が設置され避雷針で保護されている設備の落雷保護例を示します。雷保護レベルはⅢ(最大落雷電流100kA)までと考えて対策を取ります。
メガソーラー設備に設置するSPDのクラス及びその性能は、JIS C 5381-32の附属書Aに記載されており、それを基にして太陽光発電設備の設置状態や雷保護対策について、十分な情報が得られない場合のY接続のZの位置にあるバリスタ(酸化亜鉛)素子で構成されるSPDの性能を参考値として表にまとめました。また此処ではインバータ及びインバーターが設置されている建物への直撃雷は想定していません。
SPDの設置箇所:
インバータが一箇所に纏めて集中配置されている設備:
主分電盤とインバータが近接(同じ建屋の10m以内)して設置されている場合にはインバータのAC側にSPDの設置は必要ありませんが、太陽光発電パネル、インバータのDC側及び主分電盤内にはSPDの設置が必要となります。
インバータが分散して配置されている設備:
主分電盤、インバーターの交流側、直流側及び太陽光発電パネルに設置します。
SPDの性能:
太陽光発電設備に設置するSPDはY接続、Δ接続、U接続などがあります、上の表で示す値は太陽光発電設備の設置状態や雷保護対策について十分な情報が得られない場合のY接続のZの位置にあるバリスタ(酸化亜鉛)素子で構成されるSPDの性能を示しています。引き下げ導線の条や建物の雷保護レベルの情報がある場合はJIS C 5381-32の附属書A(表A.1, A.2)に値が示されています。
(1)SPDクラス:主分電盤にはクラスⅠSPDを設置します。分散配置したインバータの直流側にはクラスⅡSPDを交流側にはクラスⅠSPDを設置します。太陽光発電パネルにはクラスⅡSPDを設置します。
(2)設備機器の電圧防護レベル: 被保護機器の定格インパルス電圧の情報がない場合、発電電圧DC600の設備では、インバータ及び太陽電池モジュールが「適用等級B」、及び他の機器を含め4.0kV以下、太陽電池モジュールが「適用等級A」「二重/強化絶縁」の場合は6.0kV以下とします。
本Web サイトで示すものは、落雷による機器の破壊を避ける為、機器保護の方法について私的な見解をまとめたものです。内容については最善をつくしましたが、考え違いや見落としがあった場合はご容赦下さい。
また本説明に基づき保護対策を行い、機器及びそれに関連する被害が発生した場合でも、一切の責任を負いませんので、雷保護対策は自己責任で設計し施工してください。