設備、情報機器を落雷から保護する為のヒント

電源線と大地間に接続

電源線に直列に接続

SPDの素子（バリスタ、ギャップなど）やその構成、接続方法はいろいろありますが、電源線に侵入した雷電流を大地へ流す事は変わりありません。 電源線は受配電設備から分岐し機器までつながって配線されており、侵入した雷電流は配線を伝わり全ての機器に絶縁破壊の危険性を及ぼします。電源線は束ねられて敷設されている事が多く、誘導雷が乗りやすい環境と言えます。
電源線には通信線に比し大きな電圧、電流が流れており電源用SPDを構成する素子は高電圧、高電流に対応できるものが必要とされます。
　JIS C 5381-11で電源用SPDの試験方法が示されており、直撃雷電流をシミュレ－ションした波形で試験したものをクラスⅠ、誘導雷電流をシミュレ－ションした波形で試験したものをクラスⅡ、コンビネ－ション波形で試験したものをクラスⅢとして分類しています。 保護対象機器に侵入が想定される雷電流に応じて、クラスⅠ、クラスⅡクラスⅢSPDを使い分けて設置します。 ギャップ素子のみで構成するSPDは続流が発生するため、SPDのバイパス性能や電圧防護レベルだけでなく、続流遮断性能にも注意が必要です。 SPD保護遮断器をSPDの一次側に設置すれば、この問題は回避できますが、SPD自体で回路を遮断させる場合は、SPDの遮断容量が回路の遮断容量に対し余裕ある値である事を確認してください。
また直流電源回路にギャップ素子のみで構成するSPDを設置した場合、SPD自体では続流を遮断できない為、再検討が必要です。