高度に結びついた機器を落雷から保護する為に参考にすべき基本情報を集め、まとめた私の見解です。
Home /内部雷保護 /電源引き込み方式低圧引き込みの場合は、架線への落雷を前提として引き込み開閉盤にクラスⅠSPDの設置をお薦めします。 避雷針がある建物の場合には落雷電流の一部が、接地線から侵入し電源線を通じ、大地電位の低い柱上トランスのB種接地へ流れる事が予想されます。 建物の保護レベルから想定される最大落雷電流値と、避雷針と柱上トランスの接地抵抗が明確であれば電源線に流れ込む雷電流量を算出する事が出来ます。JISでは雷電流の分流を特定できない場合、落雷電流の50%がててもの接地システムに流れ、残り50%は等電位ボンディングを経由して建物の外部に流失すると推定し図ししています。 低圧引き込みの電気設備に設置されたSPDにはこの50%の 電流が流れ込む事を想定して、バイパス性能を検討する必要があります。保護レベルⅠの建物では最大200kAの落雷を受ける可能性があり、この50%の 100kAが電源線の本数に分流するとして、必要とするSPDのバイパス性能を算出します。(参照:JIS C 5381-12 附属書D, JIS Z 9290-4 附属書D)
高圧引き込みでは受電設備に高圧避雷器が設置されており、引き込み線が直撃雷を受けても高圧避雷器が雷電流を大地へ流すと考えられ、屋内電源線に落雷電流が直接侵入する可能性は極めて少ないと考えます。大地電位が上昇した場合も同様に高圧避雷器がバイパス動作を行い、施設内の機器へ直撃雷が侵入する可能性は極めて少ないと考えられ、クラスⅠSPDの設置は設計者の判断に任されます。
受電設備のある建物とは別棟に電気機器があり、落雷等により大地電位の上昇した時、受電設備のB種接地の場所と機器のD種接地の電位が大きく異なる可能性があり、その場合には機器が絶縁破壊する可能性があり、クラスⅠSPDの設置が必要と考えます。
本Web サイトで示すものは、落雷による機器の破壊を避ける為、機器保護の方法について私的な見解をまとめたものです。内容については最善をつくしましたが、考え違いや見落としがあった場合はご容赦下さい。
また本説明に基づき保護対策を行い、機器及びそれに関連する被害が発生した場合でも、一切の責任を負いませんので、雷保護対策は自己責任で設計し施工してください。